【駅メモ】自転車で南部方面の制覇に行ってきた

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だんだんと冬の足音が聞こえてきた。天気予報を見ると最高気温が7度だとか、雪マークだとか、そういうのが見られるようになってきた。そんな11月の雨の日に、今度は南部方面の路線の制覇に行ってきた。

 

今回の制覇計画について

今回の目標は南部の完全制覇。青い森鉄道と、十和田観光電鉄と、八戸線の県内区間を全て制覇する。ちなみに南部縦貫鉄道は別のタイミングで制覇済み。ルートラボで走行予定のルートを引いてみたところ、総走行距離は最低でも300km以上になりそうな感じ。

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いやちょっと待て。300kmってどうよ…。そりゃブルベとかやってる人なら300kmなんてどうってことない距離なんだろうと思うよ。実際世の中には一日で500kmとか走っちゃう人もいるわけじゃん?

だけど万年運動不足マンであるこの自分が、ドロハン化しているとはいえ元が安クロスのCSで300kmっていうのは、正直実現可能か怪しいところではある。バラクーダ持ってた頃でもせいぜい一日250kmが限界だったのに。

何故こんな計画を立てることになってしまったかっていうと、その理由の一つには青森ー南部間の道路状況の悪さってのがある。

みちのく有料道路はそもそも自転車通行不可だし、県道40号で八甲田越えってのも辛いわりには距離短縮にならない。国道4号は路側帯も歩道もない区間が多い上に大型の交通量が多くて危ない。そういうわけだから、少しでも南部方面に行く回数を減らしたいんだよね。

 

しかも顔に爆弾抱えてるんですが

更に今回は健康面にも不安があったりなかったり。

というのも、歯茎が猛烈に腫れてちゃってて、火曜日頃には顔半分が普段の1.3倍(友人談)くらいまで膨張してたんだよね。当然痛かった。猛烈に痛かった。熱も出た。一日動けなかった。

歯医者に行って膿を出してもらい、抗生物質やら化膿止めやら痛み止めを出してもらって、ようやく土曜日くらいには落ち着いたわけだけど、もしこれが走行中にまた痛み始めたらそれこそ死の行軍になりかねない。

 

そこで新兵器の登場だ

300kmっていう未知の距離と、顔に抱えた爆弾のことを考えると、走行前の2日くらいは不安で不安で夜しか眠れなかった。そこで今回は新兵器として、パナレーサーのグラベルキング26Cを投入することにした。

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今まで履いてたツーキニスト28Cが前後で720g、対してグラベルキング26Cは480gだから、なんと240gの軽量化だ。足回りの軽量化ってだけあってこれは効く。効かないわけがない。

 

11月15日(日曜日)

4:40 出発

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今回は家を出発するところからを記事にしてみる。

見ての通りこの日の天気は雨。予報によると昼頃には止むみたいではあるんだけど、逆を言うと昼までは雨の中を走り続けなければならないってことになる。

合羽を着て、手足にビニール袋を被せ、その上から靴下と手袋を装着。後は一日中自転車と体を泥だらけにして走る心構えを持つ。これで雨対策は完璧だ。

 

5:02 雨+闇=怖い!

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秋分と冬至のちょうど真ん中にあたるこの時期、5時を過ぎても夜が開ける気配は全くない。そしてこの雨だ。視界は悪いってレベルじゃない。幹線道路を少しでも外れるともう真っ暗。もうひたすら恐怖でしかない。

 

5:38 西平内のオレハで朝食

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腹が減ってきたので西平内のオレハに入る。今度こそおにぎり券を消費してやろうと思ったんだけど、財布の中を探してもおにぎり券は入ってない。家に置いてきちゃったんだ。

バカか。アホか。

おにぎり2個の代金をしっかり現金で払って店の外に出ると、見るからにお腹を空かせてそうな野良猫が、入っては出て行くトラックを物欲しげに見つめていた。

ここにいれば毎日誰かにエサを貰えるって分かってるんだろうなぁ。おにぎり食ってるとこっち寄ってくるんだもん。頭が良いというか、図々しいというか、無責任にエサを与えちゃう人間に呆れるというか。

 

7:12 野辺地のローソンで休憩

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また腹が減ってきた。流石におにぎり2個じゃ足りなかったらしい。自転車の消費カロリーって異常だよね。それで野辺地のローソンに寄ったんだけど、例の100円で600キロカロリー以上摂取できるドーナツが置いてない。

しゃーない。5個入りのクリームパンで我慢だ。これだってサークルKサンクスの100円ドーナツよりは高カロリーなはず。それでいて税込み100円っていう素晴らしさね。

 

8:07 乙供駅から駅メモ開始

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出発から3時間半、ようやくスタート地点に辿り着いた。雨の中を走り続けたせいで顔も頭も泥だらけ、CSも既にドロッドロ。精神的に辛くなってきた。

そして雨に濡れたスマホは誤作動し放題。最寄り駅にアクセスして、次の上北町駅の場所を確認するだけで5分は掛かってしまう。これからの時期は特に雨が多くなるわけだし、何か対策を考えなきゃいけないな。

 

8:38 上北町駅にアクセス

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スマホの誤作動があまりにも酷いので、ティッシュで水分を吸い取ってやろうとバッグを開けると、まぁ見事なまでに浸水してた。おかしいなぁ、このバッグは防水仕様だったはずなのに。

それもそのはず、チャックが少しだけ開いていて、そこから水と泥が侵入していってたらしい。

 

8:58 小川原駅にアクセス

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心配していた歯茎の痛みは今のところ大丈夫。心拍数が上がると顔の半分がドキドキいってる感覚はあるけれど、まぁ痛いってわけじゃないから大丈夫なんだろう。

そして衝撃の事実。小川原駅の読みは「こがわら」だった!今までずーっと「おがわら」だって信じてたのに。小川原湖は「おがわら」って読むのに。こういう例ってどうしてか結構あるよね。

 

9:14 三沢駅にアクセス

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それにしても三沢って坂が多い街だよね。山の中に街があるんじゃないかってくらい。三沢に住んでいれば自然と登坂能力が鍛えられそうだなと思ったけど、そもそもこういう場所に住んでいると自転車に乗る習慣が付かなさそうだ。

三沢にアクセスしたところで一旦青い森鉄道からは離れる。ここからは2012年に廃止された十和田観光電鉄に沿って進む。となると六戸方面に向かうわけだから県道10号に出りゃいいのか。

 

9:19 迷った

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坂が多い街ってのは道も分かりづらい。雨でスマホが誤作動しちゃってるせいで、Googleマップも使い物にはならない。それで記憶と勘だけを頼りに進んでいたら迷ってしまった。

方向感覚がもう狂っちゃってもうわけがわからない。六戸方面に向かって進んでるはずなのに、青看には何故か「青森」とか「野辺地」とか書いてる。不思議な世界ってレベルじゃないよ。

どうしようかと考えた結果、Googleマップの音声入力に頼ることにした。画面が濡れてズームもスワイプも文字入力も使い物にならなくなったとしても、マイクだったら問題なく使えるわけだからね。

 

9:42 大曲駅にアクセス

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大曲駅にアクセスしたところで、また少しドーナツか何かを食おうとサークルKに入る。泥だらけの体でドーナツをレジに持っていくと、店員さんが「あんた何やってんすか」みたいな顔になる。面白い。面白いけど、だんだん自分でも何をやってるんだか分からなくなってきた。

いや楽しいから走ってるんだけどね。

 

10:03 柳沢駅にアクセス

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これは小湊を過ぎたあたりから感じてたことなんだけど、今日はグラベルキング履いてきて正解だったよ本当に。ツーキニスト28Cから前後で240gも軽量化されてるわけだから、とにかく走行感が軽く感じる。それでいて乗り心地が恐ろしく良い。

 

10:09 七百駅にアクセス

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シェルっぽい廃スタンドの前で七百駅にアクセス。雨の中を走り続けたせいかブレーキシューがかなり減ってきた。今んところは効かないなーと思うたびにアジャストボルトを回してなんとかしているけど、家に帰ったら交換してやんなきゃいけないなぁ。

 

10:16 古里駅にアクセス

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古里って書いて「ふるさと」って読むのか。まんまじゃん。

ここから先の区間は別のタイミングで制覇済みなので、つまりこれで十和田観光電鉄はコンプリートしたことになる。まずは1路線制覇。さて、青い森鉄道に復帰しよう。

 

10:46 向山駅にアクセス

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古里駅からは一直線に向山駅を目指す。海の方に向かって走っていくので下り基調。当然ブレーキシューは酷使することになってしまう。いくらアジャストボルトで調整し続けても限界ってもんがある。雨の長距離走行は財布に優しくないなぁ。

 

11:06 下田駅にアクセス

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45号を海に向かって延々とハイペースで下り続け、下田のジャスコに到着。いや今はイオンか。時刻は既に11時。もうあと1時間くらい早く出発するべきだったか。

 

11:26 陸奥市川駅にアクセス

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陸奥市川駅にアクセス。ようやく八戸に入った。雨も小降りになってきた。ここまでで走行距離は100kmってところか。正直褒められたペースではないよね。ドロハン化しただけの安クロスってのを考えてもかなり遅いと思う。

 

11:40 長苗代駅にアクセス、と同時に昼飯

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サンクスで昼食。正直もう甘い物は食いたくない。でも安くて高カロリーな白砂糖系はコスパ抜群だから、懐事情が非常に厳しい貧乏人的には食わない理由はない。

だから我慢してドーナツを貪り食うんだけど、これじゃあカロリーだけじゃなくストレスも溜まっていってしまうので、ラストの口直しに謎の白身魚のフライを食うことにする。

そして長苗代駅にアクセス。ここからは青い森鉄道を離れて八戸線の県内区間制覇に向かう。目標は階上に1時半。ちょっと厳しいかな。

 

12:20 本八戸駅にアクセス、そして豪雨

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いよいよ八戸の中心部に入っていくぞーってところでまた雨が強くなってきた。強くなってきたってレベルじゃない、豪雨だ。あっという間に道路が水溜りになっていって、フロントタイヤが跳ね上げる水の量も多くなる。

思うんだけどさ、雨の日の自転車ってもはや水中スポーツだよね。

 

12:23 ブレーキシューの溝が無くなってしまった

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信号待ちでフロントのブレーキシューを見てみると、ついに溝が無くなってしまっていた。

もちろん溝が無くなっても構造的に考えれば止まらないってことはないんだけど、だとしてもまだ200kmは走らなきゃいけないわけだ。下手したらゴムが完全に無くなってしまう可能性もある。でも大丈夫。こんな事もあろうかと換えのブレーキシューは持ってきて…

ないですね。忘れてきました。バカだ。アホだ。ほんず内閣総理大臣だ。どうすんだよ。フリー付きの止まれない自転車なんてノーブレーキピスト乗りも恐れ慄くよ。

 

12:41 サンデーでブレーキシューを調達

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沼館のサンデーでVブレーキ用のシューを調達。お値段なんと1500円。いくら舟付きでもボッタクリってレベル通り越してるよ!あーいやいや、随分と高級なブレーキシューだこと。新品価格1900円のBR-353には勿体無いなー。

まぁね、地方のホームセンターなんてそんなもんだよ。専門店ですらボッタクリなんだから、非専門店が更に法外な価格になってしまうのはどうしようもないんだ。

それでさっそく交換作業に取り掛かるわけだけど、場所が場所だけに少し恥ずかしいっていうか、一歩間違えたら自転車泥棒かなんかと勘違いされそうで怖い。

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通りかかる人がみーんなこっちを見てくる。小さい子供がバーテープを指差して「真っ赤!ほら真っ赤だよ!」とか騒いでる。はぁ…八戸まで来て何やってんだろ。

 

13:13 小中野駅にアクセス

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公開処刑もといブレーキシューの交換作業を終えて、ようやく走り出す頃にはもう1時過ぎだ。1時半に階上到着っていう目標はまぁまず達成不可能だ。

でも絶対に大丈夫。階上に着かないってことは絶対にないから。体力が続く限りクランクは回し続けられるし、クランクが回り続ける限り自転車は走り続ける。たとえ何時間掛かったとしても、辿り着けないなんてことは絶対にないわけだから。

 

13:19 陸奥湊駅にアクセス

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前言撤回いいっすか…?

猛烈に歯が痛い。歯茎が痛い。顔が痛い。何故だか分からないけど歯茎が膨張してきて、もし今ここが自宅だったとしたら床を転げまわって泣き叫ぶほど歯が痛い。

どうすんのこれ。この痛みに耐えながらあと200km走るの?嫌だよ。無理だよそんなの。体力的にはいけるだろうけど精神的に無理だよ?

 

13:25 白銀駅にアクセス

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駄目だ。痛い。心臓の鼓動に合わせて痛みの波がやってくる。心拍数が上がると痛みの感覚が短くなる。ギアを重くして力を込めると込めた分だけ痛みが強くなる。どうやってもスピードが上げられない。どうあがいても絶望でしかない。

あぁ、おうちかえりたい。

 

13:31 鮫駅にアクセス

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どうして痛いんだろう。ここ2日くらい痛みは収まってたはずなのに。ここまで走ってくる間も痛むことはなかったのに。疲れで免疫力が低下して、それきっかけてばい菌が優位な状況になっちゃって…とかそういう理由で痛んでるんだろうか。だとしたら休めば痛みは収まるのかな。

っていうか、八戸線が終わったら三戸方面にも行くんだぞ。こんな状況でまともに走れるんだろうか。無理だろ。棄権して輪行しちゃうか?

 

13:51 陸奥白浜駅にアクセス

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少し痛みが収まってきた気がする。かと思ったらまた痛み出す。痛み出したところに八戸の街の急坂が襲いかかる。泣きっ面に蜂。万事休す。四面楚歌…はちょっと違うか。

 

14:02 種差海岸駅にアクセス

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種差海岸だって種差海岸。前に走りに来たときはすっごく楽しい道だったっていう記憶があるんだけどなぁ。この雨と痛みのせいでこれっぽっちも楽しくないや。いよいよ走る意味が分からなくなってきた。八戸線制覇とか、マスターオブ青森とか、もうどうでもいいや。

今はただおうちに帰りたい。ただそれだけだ。

 

14:06 大久喜駅にアクセス

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海が見える。太平洋だ。白くて高い波。あの海の向こうにはアメリカがあるんだね…。僕の人生はきっともうここで終わるんだ…あぁ…行ってみたかったな…アメリカ…

今日は陸奥湾も荒れてるんだろうな。あぁ、陸奥湾が見たいな。合浦公園から陸奥湾が見たいな。春には合浦公園で花見して、夏には藍川ニキとアスパムでソフトクリーム食いながら海を見て…

 

14:18 大蛇駅にアクセス

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階上町に入った。もう2時だ。大蛇駅だって。凄い名前だなぁ。ところで…金浜駅はどこいっちゃったんだろう。もしかして通り過ぎちゃった?レーダーの残り所持数は0だよ。先週の日曜日に調子乗って使い過ぎちゃったから。

 

14:20 金浜駅にアクセス

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大蛇駅にアクセスした地点から100mくらい戻って、八戸市に入ったところで金浜駅にアクセスできた。いやぁ運が良かった。気付くのが遅れてたらたぶんもうそこでCS放り投げて電車で帰ってたよきっと。

 

14:27 階上駅にアクセス

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終わった。八戸線の県内区間を全て制覇した。次は三戸方面か。青い森鉄道が俺を待っているんだ。行かなきゃ。走らなきゃ。せっかく南部まで来たんだから、三戸方面にも寄って帰らなきゃ。歯の痛み程度で喚いてちゃいけない。300km走らなきゃ。

 

14:38 ここはどこ…?

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階上からは国道45号で八戸市内に戻ろうと思ったんだけど、気が付いたらわけがわからない山の中を走っていた。Googleマップを見ようにも、相変わらず誤作動が酷くて、おおまかな現在地と今向いている方角くらいしかわからない。

 

15:11 心が折れた

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なんとか国道45号に出て、一心不乱に八戸市街を目指す。歯の痛みはいっそう強くなっていく。それでも基本的に下り基調の道なので、頑張ってペダルを回していく。

そして現れた青看には「青森 111km」の文字。これでもう心が折れた。この痛みに耐えながら111km走るなんて、どう考えても無理に決まってる。

もう…ゴールしても…いいよね?

 

17:32 もうリタイアします

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持っててよかった輪行袋。高校生の集団に「なんだあの袋…不審者だ…」とか言われたり、財布の中の千円札がぜーんぶ濡れてて券売機に通らなかったりしたけれど、もうペダルを回さなくてもいいんだと思うと気が楽になった。

 

18:00 電車内にて

電車に乗ってシートに座り一段落。何故だか歯の痛みは少しずつ消えてなくなっていった。歯の痛みがなくなると、そこにはまだまだ走っていける元気な体が残っていた。

まだ全行程の半分しか走ってないのに。たった150kmしか走ってないのに。まだ4駅残ってるのに。もう歯なんて痛くないのに。まだまだ走り続けられるのに。

電車はあっという間に三沢を過ぎて乙供に差し掛かり、いつの間にか狩場沢に停車しようとしている。鉄道って本当に凄いんだね。楽で速い。ずーっと足を回し続ける必要もないし、路側帯の狭い道で迫り来る大型トラックと格闘する必要もない。

駅メモって本来はこういうゲームなんだなぁ。

 

まとめ

この日の走行距離は157.2km。新駅獲得数は24駅。マスターオブ青森まで残り37駅。もうすぐ雪が降ってくる。例年だと12月の上旬には雪が積もってしまうので、自転車に乗れるのはあと2週間か3週間ってところか。

残りの未踏破路線は五能線、大湊線、青い森鉄道八戸以南か。見事に散らばっちゃってるなぁ。どうすんだよこれ。雪積もっちゃうぞ。いざとなったらMTB借りてきて雪の上走っちゃうかな。

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