【仙台→青森】青春18きっぷで実家に帰省してみた

学生ってのは往々にしてお金が無いものだ。

お金が無い学生の旅の手段と言えば、格安の高速バスなんかが代表的かと思うけれど、仙台→青森というそこまで大きな需要のない区間では、バス会社の間での競争が起こりづらい故に、なかなかバスの料金が安くなりづらい。

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そこで登場するのが青春18きっぷだ。春季、夏季、冬季と使える期間が限定されるとはいえ、JRの普通列車を1日2,370円で乗り降りし放題だなんて言われてしまえば、僕みたいな小心者は聞いた瞬間におしっこ漏らしちゃう。ちなみに大の方は元から垂れ流しだ。嘘だけど。

汚い文章で申し訳ない。

 

7月31日6時30分、仙台駅のペデストリアンデッキで朝食

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夏休み開始から3日目の朝、僕は仙台駅のペデストリアンデッキで、サンクスのおにぎりと焼き鳥を食していた。まずこの時点で僕は大きな間違いというか、過ちを犯している。

本来の予定であれば、この日の朝食は、すき家のうな丼であるはずだった。2016年7月30日、土用の丑の日にうなぎを食べられなかったので、その埋め合わせとして、この日の朝食にうなぎを食べてやろうと思っていたのだ。

地下鉄の始発に乗っていれば、おそらくすき家でうな丼を食べている時間はあった。そして、部屋の鍵が閉まっているのにも関わらず、「あ、鍵閉め忘れた」なんて引き返していなければ、地下鉄の始発に乗れたはずなのだ。

 

6時45分、東北本線小牛田行きに乗車

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画面の前でこれを読んでいる皆様の中には「もっと後の電車に乗れば、すき家でうな丼食べられたじゃん」なんて思った方もいるかもしれない。確かにそれは大正解なのだけれど、僕は出来る限り早く青森に到着しなければならないのだ。だって、彼女が僕の到着を待っているのだから。

ん?別にフラグじゃないよ?

さて、電車に乗り込むと、車内は驚くほどガラガラだった。具体的には1両あたり5人も乗っていないくらい。仙台駅以北の東北本線は駅数が尋常ではないレベルで少なく、各駅の場所もまた微妙なので、仕方が無いと言えば仕方が無いのかもしれない。

静かな車内、少ない駅数、ついでにクロスシートなので、とっても落ち着いた雰囲気。今回の旅では、愛機XperiaZL2の液晶がバキバキに割れてしまっている上に、AUのSIMに通信制限が掛けられているので、積んでいた本を何冊も持ってきたのだけれど、もし青森までずーっとこんな環境だったとしたら、読書が捗って仕方が無いなぁ。

 

東北本線を北上駅まで北上

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鈍行の東北本線を、途中で乗り換えを挟みながらジリジリと北上していく。仙台駅を出た頃にはまばらだった乗客も、小牛田、一関と乗り換える度に増えていく。一関から先の乗車率は、仙台市地下鉄はもちろんのこと、首都圏の鉄道とも遜色ないくらい。車両も新しいので、窓の外ののどかな景色がミスマッチな印象を与えてくる。

小牛田から先はロングシートだったので、一瞬は落胆したものの、案外ロングシートよりも足が伸ばせるので、これはこれで快適だった。え、電車の中で足を伸ばしたら迷惑だって?身長165cm、股下比率43%の低身長短足マンには無縁だね。

 

北上駅から北上線に乗り換え

2002年、2010年の東北新幹線延長と同時に、盛岡以北の東北本線は第3セクターに移行してしまった故に、基本的には青春18きっぷの適用範囲外になってしまった。

実は青森ー八戸間であれば、野辺地駅以外で途中下車しなければ、特例で適用範囲内になるのだけれど、八戸ー好摩間が適用範囲外であることに変わりはないので、別途で第3セクターの運賃を支払うか、あるいは日本海側に迂回する必要がある。

で、お金はないけど時間はある貧乏学生の僕は、当然後者を選択した。

仙台ー青森を移動する場合、太平洋側から日本海側へ抜ける路線は、仙山線、陸羽東線、北上線、花輪線の4路線。それぞれ特色のある路線ではあるけれど、景色が良いのは陸羽東線と北上線かな。陸羽東線は鳴子峡、北上線は錦秋湖、どちらもしっかりと目に焼き付けよう。

乗り換えの際、若干時間に余裕があったので、改札を出て北上駅前を散策してみた。

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改札を出てまず思ったのが、駅前寂れすぎってこと。一応岩手県内では盛岡の次くらいに栄えているはずの北上市の中心駅の駅前なのに、人っ子一人見当たらないなんて異常過ぎる。デパートらしき建物は朽ち果ててるし、コンビニすら見当たらないし。

 

11時48分発、北上線横手行き

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で、北上線に乗り換える。

単線非電化路線なのに案外乗車率は高く、僕のような学生18きっぱーだとか、ファミリーだとか、そういう和気あいあいとした雰囲気の乗客で賑わっていた。しかも2両編成。

駅メモをぽちぽちしながらぼーっとしていると、いつの間にか車窓は秘境の雰囲気。いや、平行して秋田道も通っているので秘境ではないし、むしろ人の手が加えられた山なんだけれども。

錦秋湖だ。綺麗だねこれ。新海誠監督の作品みたいな雰囲気だ。「君の名は」だっけ、彼女が観たいって言ってた。彼女が仙台に遊びに来た時にでも観に行こうか。

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単線で非電化。ただ軌道が敷かれているだけのシンプルさ。自動車に例えるならFRのようなもの。100年前の人も同じ景色を見ていたんだろうかと考えると感慨深い。しかしWikipedia先生によると、北上線の開業は1924年だそう。100年前の人、この景色見てないじゃん。

 

奥羽本線に乗り換えて青森へ

横手駅で奥羽本線に乗り換えたら、後は終点の青森駅へひたすら直進。

奥羽本線の大曲から秋田までの区間はミニ新幹線の秋田新幹線と平行しているので、各停でまったりと走る鈍行列車を、在来線区間で最高速度を130kmまで抑えられたE6系が、じっくりじわじわと追い越していく迫力の光景を見られるのがポイント。

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この光景を見て、頭の中に「電車でD」が思い浮かんだ人は、きっと僕と同類の人種なんだろうなと思う。もう是非お友達になりたいね。え、嫌だって?ですよねー。

 

ねぇこれさぁ、昼飯どうしたらいいの

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13時04分、秋田駅に到着。そろそろ昼飯を食べたい時間だ。

乗り換え時間は約30分。駅の外に出て呑気にファミレスにでも行っている時間はない。だとしたらNEWDAYSでおにぎりでも食うか。しかし秋田まで来てコンビニおにぎりってのもどうかと思う。

改札を出ると駅弁屋を発見した。

ほう、駅弁。いいかもしれない。比内地鶏とか、きりたんぽとか、あきたこまちとか、そういう秋田名物的なやーつを食すことができるかもしれない。ほらこれ、かの有名な大館名物鶏めしじゃないですか。もうね、買うっきゃないよね。

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と、会計を済ませた時点で問題に気が付く。

ロングシートの鈍行列車の車内で駅弁を食うだなんて、マナー的にどうなのよ。まだクロスシートであれば、窓側に座ってこそこそと食えばいいさ。でも、仮にも幹線である奥羽本線で、大量の乗客を捌くことに適さないクロスシートなんてありえないわけだ。

 

13時30分発、弘前行きに乗車

この鶏めし、いつ食えばいいんだろう。

案1、大館を過ぎて県境越えの区間に入ると、乗客数が一気に激減して空気輸送状態になるので、もしかしたら人っ子一人見当たらない車両が出てくるかも。そしたら、新たに乗客が乗ってくる前に、一気に鶏めしをかきこんでしまう。

案2、弘前での乗り換え時間の間に食う。ただし乗り換え時間が5分しか無いので、諦めて次の電車に乗る。ちなみに次の電車は一時間後なので、青森駅到着時刻も一時間遅れることになる。あるいは頑張って5分で食うって手段も無いわけではないけれど、おそらく実現不可能。

案3、青森駅で彼女が迎えに来るのを待っている間に食う。青森駅到着時刻は17時過ぎなので、一般的な男よりも少食の僕の場合、夕飯に少し影響が出てしまうかもしれない。食べ放題に行こうなんて話になったら最悪だ。

以上の3つの案のうち、まず案2は絶対にありえない。青森駅到着時刻が遅れることは絶対にあってはならない。僕は出来る限り早い時間に青森駅に到着する義務があるのだ。そして案3もできれば避けたい。秋田の駅弁を青森駅で食うだなんて、興醒め感甚だしい。

大館駅を過ぎると、目論見通り乗客数が激減した。現時点で乗客数3人、制服を着た学生と、おばあちゃん二人。どう見ても長距離移動客ではない。まず確実に学生は県境越えしないと見た。おばあちゃん二人もおそらく白沢、陣場で降りる。

と、思うじゃん。

陣場駅を通過しても、おばあちゃん二人は降りる気配が見られず、それどころか白沢駅でおじいちゃんが増え、ついに津軽湯の沢を越えて青森県入りした。このご高齢な皆様、一人で県境を越えてお出かけだなんてアクティブ極まりない。うちの実家のおばあさまなんて、一人で町会から出ていくことさえ珍しいというのに、このご老人方、ちょっと尋常ではないよ。

僕の昼飯はおあずけとなった。

 

16時21分、青森行きに乗車

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流石に弘前ー青森は乗客が多い。そして若者からお年寄りまで漏れなく訛っている。ここまで宮城、岩手、秋田、青森と4つの県をまたいで移動してきたわけだけれど、秋田まではわりと標準語圏の色が強かったのだ。それが青森に入った瞬間「な」だの「わ」「ぃ゛ぇ゛ぁ゛(ひらがなで表記不能)」だの聞こえてくるのだから、鈍行列車の旅は面白いよね。

ここまでの旅を振り返ってみると、宮城県民は品行方正な雰囲気、岩手県民は田舎臭いけれどマナーが良い、秋田県民は都会的、そしてここ青森の皆様はガラが悪い。なんだろう、明らかに車内が混沌としたカオス状態と化している。

自分の地元だから色眼鏡で見てしまっているだけなのかもしれないのだけれど、明らかに青森県民は何かが違う。正直圧倒されてしまう。日焼けした体育会系の高校生が一人で三人分のスペースを占領し、チャラ男が大声で電話している。極めつけは、体格の良いお父さんが子供たちを叱る怒鳴り声。「おめだぢ、危ねんだはんで黙って座ってなが!」ってさ。

あぁ、肩身が狭い。

 

青森駅に到着

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わが地元、偉大なる28万都市(絶賛音速人口減少中)である青森シティーに帰ってきた。相変わらず小汚くて退廃的な街並みだこと。よく見ると、お馴染みのねぶた漬けの看板が撤去されていることに気が付き、ほんの少しだけ寂しい気持ちにさせられた。

さて、鶏めしを食おう。

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なるほどこれは甘い。甘い鶏に、薄味ながらしっかりと鶏の味が染み込んだあきたこまち。おかずも全体的に甘めの味付けがなされている。不味いわけじゃないけれど、幾分お年寄り向けの味付けなので、10代の舌にはあまり合わないなぁと思う。

あ、うなぎは翌日の夜に彼女と食べました。めでたしめでたし。青森的には「とっつぱれ」とでも言うべきかな。ちなみに人間椅子の曲に「どっとはらい」なんてのがあるけれど、あれ実は南部弁だったりする。

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